平成25年度秋期 ITパスポート 問99 解説
中問D(問97〜100)
図書館システムに関する次の記述を読んで,四つの問いに答えよ。
A図書館では,バーコードを用いた図書館システムを用いて,書籍の貸出と返却業務を行っている。
〔書籍の貸出と返却業務〕
(1) 貸出担当は,バーコードリーダで利用者カードの利用者番号と書籍ごとに割り振られた識別番号を読み取り,貸出情報を登録する。
(2) 返却担当は,バーコードリーダで書籍の識別番号を読み取り,返却情報を書き込む。
現在,利用者の利便性向上と業務の効率向上を目的として,現行の図書館システムにおけるバーコードをRFID(Radio Frequency Identification)に変更したシステム(以下,新システムという)の導入を検討している。表1に図書館システムで用いるバーコードとRFIDの特徴の対比を示す。
表1 図書館システムで用いるバーコードとRFIDの特徴の対比
| バーコード | RFID | |
|---|---|---|
| 読取距離 | 数cm~数十cm | 数cm~数十cm |
| 読取枚数 | 一度に1枚 | 一度に複数枚 |
| 読取情報量 | 一度に十数文字 | 一度に数百~数千文字 |
| 読取方式 | 光学的な読取り | 電波を用いた読取り |
司書のBさんは,利用者や司書から出されている要望事項を,新システムで実現できるかどうか検討することにした。
〔要望事項〕
(1) 利用者カードの利用者番号及び書籍の識別番号をバーコードリーダで個々に読み取っているので,貸出業務が集中する時間帯には,利用者が貸出しのカウンタに並んでしまう。貸出担当は,作業を手早く処理したい。
(2) 書籍棚から取り出した書籍を,利用者が元の棚に戻さないことがある。定期的に,棚と書籍をチェックしながら整理するが,この作業の時間を短くしたい。
(3) 返却担当は貸出予約されている書籍が返却されれば取り置きし,予約をした利用者に電話で連絡をする。何度電話しても連絡が取れないことがあるので,連絡の手間を軽減したい。
(4) 書籍の返却は,図書館の入口にある返却ポストでも受け付けている。返却業務が滞ると,図書館システム上で書籍が貸出中になっている時間が増加する。利用者の利便性向上のために,返却ポストに入っている書籍を把握したい。
Bさんは〔要望事項〕を実現するために,市販されているRFIDを用いたシステムを調べ,次の施策を考えた。
① RFIDを内蔵した利用者カードを発行し,書籍にはシート状に加工したRFIDを貼り,貸出,返却時にカウンタで用いるRFID読取装置を新たに導入する。
② 全ての書籍棚の棚板にRFID読取装置を設置し,書籍と書籍棚をチェックするシステムを導入する。
③ 返却ポストにRFID読取装置を設置する。
Bさんは,施策①~③による効果を整理した結果,これらの施策では実現できない要望事項があることに気づいた。〔要望事項〕のうち,実現できない事項に該当するものとして,適切なものはどれか。
- ア(1)
- イ(2)
- ウ(3)
- エ(4)
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正解 ウ(3)
要点RFIDは読取りを速くするが利用者への連絡手段にはならない
解説
施策①〜③はいずれもRFIDの読取装置を設置するもので、要望(3)の“予約者への電話連絡の手間を軽減したい”は、連絡手段(メール通知など)の問題なので実現できません。
- ア:施策①でカウンタにRFID読取装置を導入すれば、複数枚を一度に読み取れるので要望(1)は実現できます。
- イ:施策②で棚板に読取装置を置けば、棚と書籍のチェックを自動化でき、要望(2)は実現できます。
- エ:施策③で返却ポストに読取装置を置けば、ポスト内の書籍を把握でき、要望(4)は実現できます。